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精神症(サイコーシス)とは?

精神症(精神病)とは、英語のpsychosis(サイコーシス)の日本語訳です。ここでは精神症という日本語訳、あるいはサイコーシスというカタカナ表記を採用することにします。また、必要に応じて精神病という訳語も併記することにします。


精神症(サイコーシス)では、次のような症状が特徴的といえます。(詳細はサイコーシスの代表的な症状を参照して下さい)

  • 頭の中で考えていることや体験していることと現実との区別が出来なくなる
  • 現実には起こっていないことを体験したり、現実とは違う考え方を信じる
  • 現実に合わせた言動や行動が難しくなる

例えば、聞こえないはずの人の声がはっきりと聞こえてきたり、まったく関係のない人が自分の噂をしていると信じたり、何かの組織に追われたり、迫害されるという考えにとらわれたり、言動や行動が場にそぐわなくなり、まとまらなくなってしまうなどの症状が現れることがあります。

 精神症(サイコーシス)の状態では、現実とうまくつきあうことが難しくなるので、仕事や勉強、交友関係など日常生活を送るうえで支障が出てきます。また、気分が非常に高揚したり、落ち込んだり、極端な浮き沈みを経験することもあります。物忘れが多くなったり、注意力が散漫になったり、不眠や独り言の症状が出てくることもあります。なかには、死にたいという気持ちが強まったり、感情や行動をコントロールできなくなってしまうこともあります。


精神症(サイコーシス)は治療によって治る病気です。このためには、できるだけ病気が軽い早期のうちに治療を開始することが重要です。精神症(サイコーシス)かもしれないと思った場合には、早めに専門家に相談しましょう!


■サイコーシス・エピソードについて

  • サイコーシスの症状の多くは一過性で、症状が出現して、期間を経て、消失します。
  • およそ100人に3人は生涯に1度はサイコーシス・エピソードを経験します。
  • サイコーシス・エピソードからは、ほとんどの方が回復します。
    ただし、回復まで時間がかかる場合、再発する場合があるので、しっかり治療する必要があります。

< (参考)サイコーシス・エピソードが出現する精神障害の例 >

  • 統合失調症※
  • 統合失調症様障害
  • 統合失調感情障害
  • 妄想性障害
  • 短期精神病性障害(または急性一過性精神病性障害)
  • 精神病性の特徴を伴ううつ病や双極性障害
  • 特定不能の精神病性障害

※精神症(サイコーシス)の代表的な障害が、統合失調症です。サイコーシス・エピソードやその後遺症などが6ヶ月以上続くような場合には、統合失調症という診断名がつけられます。世界のどこの国であっても、およそ100人に1人がかかるといわれており、決して特殊な病気ではありません。